(前回までのあらすじ)
医薬翻訳者になろうと志した正田は、勉強を始めて苦節1年3ヶ月、ついに翻訳会社から仕事のオーダーがくる。
この物語もそろそろ最終回です。
翻訳会社からきた短い「初仕事」は、どんな内容だったかというと、製薬会社と厚労省とのあいだの、医薬品承認申請をめぐる面談のやりとりの要約文を英訳せよ、というものだったと記憶します。
A4で2枚程度のものでしたが、これも難なく提出しました。ふうんこんなものも社内文書にあるんだなあ、という印象でした。翻訳料は、単位が会社ごとに違うのですがその会社は仕上がりの英文240ワード2500円と、新人翻訳者としてはかなりいいレートでした。
この出来がよかったのかその後は、この会社から続けざまに仕事がくるようになります。主に、製薬会社の治験(臨床試験)の自主監査(Self-audit)の報告書がきました。
「手順書に決められている○○が実施されていない」
というような文が大半のやつです。
どうも、この会社での文系の「正田さん」の位置づけは、
「論文の翻訳もたぶんできるのだろうけれどそれ以外の不定形な文書を読みやすい形に翻訳してくれる、便利な人」
だったようです。
この「自主監査報告」の翻訳だけで、すぐ月収20万くらいになりました。
この年の1月、2月には、ほかにもばらばらと、トライアルを提出した翻訳会社から「合格通知」が来、そして仕事が来ました。
私は忙しくなり、セミナーに通う時間もなくなってしまいました。いっぽう、実務こそが最もいい勉強の場である、というのはほんとだな、ということも実感しました。
別の翻訳会社からは、めずらしい「眼科マイクロサージェリー」の手技について書いた論文の日本語訳の依頼も来ました。
依頼主は個人の眼科のお医者さんだったそうで、こういう論文は、製薬会社の中で流通するものではないので、製薬会社出身ということはアドバンテージにはならないのです。むしろ、何でも勉強する「何でも屋」の文系翻訳者のほうに利がありました。というより、ほかの誰もが嫌がる文書なので、文系の私のところに来た、と思ったほうがいいようです。
この仕事が初めて来たときは大変でした。神戸大学医学部の生協に行って、眼科の役に立ちそうな本を片端から買い込み、1回の買い物で7万円をつかいました。そして論文の翻訳料は3万6千円、完全に赤字です。
ただ、このあと2,3回、この同じ依頼主から眼科の仕事が来たので、辛うじてペイしたかという感じです。
もともと、記者時代に脳死・臓器移植の取材に熱中したのがこうじて「医薬翻訳者」の道を志したので、こういう個人のお医者さんの勉強したいという志に役立つのは、願ってもないことだったのです。
主な収入源はれいの「自主監査報告書」と、ページ数が多く効率の良い、臨床試験の手順書(SOP)で、たまにそうした個人のお医者さんのための仕事をして、人の役に立ったことを実感していたという感じでした。
仕事として翻訳を始めた翌年には、
「ジャーナリズム出身で医薬翻訳者の珍しい人がいる」
と、業界誌にとりあげられたこともありましたが、
そのうち、コーチングと出会うと、矢も盾もたまらずそちらの勉強を始めて実務に入り、あれほどそのために勉強した翻訳は副業となり、やがて自然消滅した・・というのは、小冊子に書いたとおりです。
正田は、過去に会社勤めの世界からはじき出されてしまった人生のおちこぼれ。子どもを3人生んでそこそこ大きくなるまで育てて、今は余生の部分を生きています。
ぎこちないやり方ではありますが、残りの人生で仕事をつうじてひとりでも多くの人を幸せにすることができれば、生きてこの世の空気を吸っていることへご恩返しができるかな、と思います。
-----------------------------------------
現代っ子社員の「やる気」に、私たちはどう関われるのか?
東西の「やる気の達人」が集結する、関西限定スペシャルイベント!!
10・22 COACHING KANSAI 2005 お申し込みはこちらから
あなたもだれかのコーチになれる。
「経営者・管理者のためのコーチング講座(神戸セミナー)」第5期受講生募集中!修了生には、「CLS認定企業内コーチ」の受験資格が与えられます。詳細とお申し込みはこちらから
今日もこのブログを訪れて下さり、本当にありがとうございます!!
今日のランキングは?どうぞお急ぎでないかたは、ランクアップにご協力くださいませ
医薬翻訳者になろうと志した正田は、勉強を始めて苦節1年3ヶ月、ついに翻訳会社から仕事のオーダーがくる。
この物語もそろそろ最終回です。
翻訳会社からきた短い「初仕事」は、どんな内容だったかというと、製薬会社と厚労省とのあいだの、医薬品承認申請をめぐる面談のやりとりの要約文を英訳せよ、というものだったと記憶します。
A4で2枚程度のものでしたが、これも難なく提出しました。ふうんこんなものも社内文書にあるんだなあ、という印象でした。翻訳料は、単位が会社ごとに違うのですがその会社は仕上がりの英文240ワード2500円と、新人翻訳者としてはかなりいいレートでした。
この出来がよかったのかその後は、この会社から続けざまに仕事がくるようになります。主に、製薬会社の治験(臨床試験)の自主監査(Self-audit)の報告書がきました。
「手順書に決められている○○が実施されていない」
というような文が大半のやつです。
どうも、この会社での文系の「正田さん」の位置づけは、
「論文の翻訳もたぶんできるのだろうけれどそれ以外の不定形な文書を読みやすい形に翻訳してくれる、便利な人」
だったようです。
この「自主監査報告」の翻訳だけで、すぐ月収20万くらいになりました。
この年の1月、2月には、ほかにもばらばらと、トライアルを提出した翻訳会社から「合格通知」が来、そして仕事が来ました。
私は忙しくなり、セミナーに通う時間もなくなってしまいました。いっぽう、実務こそが最もいい勉強の場である、というのはほんとだな、ということも実感しました。
別の翻訳会社からは、めずらしい「眼科マイクロサージェリー」の手技について書いた論文の日本語訳の依頼も来ました。
依頼主は個人の眼科のお医者さんだったそうで、こういう論文は、製薬会社の中で流通するものではないので、製薬会社出身ということはアドバンテージにはならないのです。むしろ、何でも勉強する「何でも屋」の文系翻訳者のほうに利がありました。というより、ほかの誰もが嫌がる文書なので、文系の私のところに来た、と思ったほうがいいようです。
この仕事が初めて来たときは大変でした。神戸大学医学部の生協に行って、眼科の役に立ちそうな本を片端から買い込み、1回の買い物で7万円をつかいました。そして論文の翻訳料は3万6千円、完全に赤字です。
ただ、このあと2,3回、この同じ依頼主から眼科の仕事が来たので、辛うじてペイしたかという感じです。
もともと、記者時代に脳死・臓器移植の取材に熱中したのがこうじて「医薬翻訳者」の道を志したので、こういう個人のお医者さんの勉強したいという志に役立つのは、願ってもないことだったのです。
主な収入源はれいの「自主監査報告書」と、ページ数が多く効率の良い、臨床試験の手順書(SOP)で、たまにそうした個人のお医者さんのための仕事をして、人の役に立ったことを実感していたという感じでした。
仕事として翻訳を始めた翌年には、
「ジャーナリズム出身で医薬翻訳者の珍しい人がいる」
と、業界誌にとりあげられたこともありましたが、
そのうち、コーチングと出会うと、矢も盾もたまらずそちらの勉強を始めて実務に入り、あれほどそのために勉強した翻訳は副業となり、やがて自然消滅した・・というのは、小冊子に書いたとおりです。
正田は、過去に会社勤めの世界からはじき出されてしまった人生のおちこぼれ。子どもを3人生んでそこそこ大きくなるまで育てて、今は余生の部分を生きています。
ぎこちないやり方ではありますが、残りの人生で仕事をつうじてひとりでも多くの人を幸せにすることができれば、生きてこの世の空気を吸っていることへご恩返しができるかな、と思います。
-----------------------------------------
現代っ子社員の「やる気」に、私たちはどう関われるのか?
東西の「やる気の達人」が集結する、関西限定スペシャルイベント!!
10・22 COACHING KANSAI 2005 お申し込みはこちらから
あなたもだれかのコーチになれる。
「経営者・管理者のためのコーチング講座(神戸セミナー)」第5期受講生募集中!修了生には、「CLS認定企業内コーチ」の受験資格が与えられます。詳細とお申し込みはこちらから
今日もこのブログを訪れて下さり、本当にありがとうございます!!
今日のランキングは?どうぞお急ぎでないかたは、ランクアップにご協力くださいませ